こんにちは!管理人のハルです。
2009年に登場した「終活」という言葉。墓じまいや老後の暮らし方など、老い支度に向けて何をするか、これからどう生きていくかをポジティブに考えるきっかけになった言葉です。

まだ30代の私にとって、自分の「終活」はまだ実感が沸きませんが、病院勤務時代、患者さんのご自宅を訪問させていただいた経験が建築を学ぶきっかけになったこともあり、”年をとってからの住まいの在り方”には興味がありました。
”年をとってからの住まい”というと、リフォームのような大掛かりなイメージがありますが、もう少し小さなスケールで、日々の生活から少しずつ準備できること、根本から変えなくても工夫次第でできることもあるのではないか。同時にそんな疑問も浮かんできました。
紹介する本:「案ずるより、片付けよう 住まいの老い支度」
そこで見つけたのがこちらの本。
『案ずるより、片付けよう 住まいの老い支度』です。
2017年に発行され、著者は生活研究家・消費生活アドバイザーである阿部絢子さん。消費生活アドバイザーの仕事をするなかで「家の片付け」の相談を受ける経験から、人生の最終章を楽しく快適に過ごすための、「住まいの老い支度」について、心の準備や具体的な方法など、今から準備していける工夫が紹介されています。
今回は、この本を読んで私が気になった5つの言葉をご紹介します。
① 50代は人生のピーク、老後の人生を左右する重要な時期
「え?50代って終活には早くない…?」この言葉を読んだときの私の第一印象です。終活を始める年齢、今の高齢化社会でいえば60代でも早い方ではないかと思っていました。
本書では、60代になると「気力・体力が減ってくる」ため、50代から考えはじめるのが良いとのこと。片付けは、意外と肉体的にも精神的にも疲れる作業ですよね。まだ気力・体力もある50代の頃から、これからどんな生活をしたいかを考え、そこに向かうための準備をはじめる。意外と早い住まいの老い支度のスタートですが、「どんな生活をしたいか」を考えるところから始めると思えば、ハードルが下がります。

まず「これからどんな生活をしたいか」を考えるところから!
② 「片付ける」と考えるより、暮らしの「仕組みをつくる」と思えば前に進める
気力・体力を使う片付けという作業は、「よしやるぞ!」と意気込んで始めても、途中で疲れてそのまま…ということも。「片付け」として大々的にやるよりも、日常の暮らしの中に片付けの仕組みをつくっていけば、気力・体力も温存することができます。大掛かりでなく少しずつ取り組めば良いので、この考え方だと片付けに対する抵抗感が小さくなりますね。

「片付け」はハードルが高いからこそ、日常に片付けの「仕組み」を組み込んでいく!
③ 暮らしの心地よさは、見えている床の広さに比例する

子育て中の今、まさに実感しています…!
我が家には未就学児の子供が2人いるのですが、毎日部屋のあちらこちらにおもちゃが散乱しています。散乱している床をみると、気持ちの余裕もなくなってついついイライラしてしまうんですよね…。

でも片付けて床が見えてくると、部屋も気持ちもすっきりしてきます。床に物がないだけで、掃除もしやすくなりますし、つまづいて転ぶ危険性も少なくなります。心理的にも物理的にもこの言葉は的を得ていると思いますし、片付けにおけるひとつの指標にしたいと思いました。
④ 住まい方を少しずつ変えていく
人生には就学、就職、結婚、出産、死別といったライフイベントがあり、その際にはストレスが伴います。1967年に心理学者であるホームズとレイは、人生で起こるさまざまな出来事(=ストレッサーになり得る出来事)とストレス過程との関係を研究し、患者たちが病気を発症する前に人生における重大な変化、すなわちライフイベントを経験していることを明らかにしました(参照:ライフイベント法)。
ストレスの度合いを測る「HolmesとRaheの社会的再適応評価尺度」では、”結婚”を基準値「50」として、0~100点の間でそれぞれのストレスの強度を”ライフイベント得点”として示しています。日本では、夏目誠氏らが日本人に合わせた尺度を「勤労者ストレス調査表」として作成しました。

その中で住まい方に影響するライフイベントでいうと、”配偶者との死別”は83点、”自分の病気や怪我”は62点、「引っ越し」は47点と、ストレス度が高いライフイベントが多くあります。
ライフイベントが起きたときは、生活スタイルが大きく変わるとき。その時に見直すのもひとつのきっかけではありますが、これから起こるであろうライフイベントを想定して、そこに向けてゆるやかに住まい方を変えていくと、ストレスも少なく済むのではないでしょうか。

大きな変化よりも小さな変化の積み重ねが、心も体も負担が少ないですね
⑤ 「老い」は嘆くよりも受け入れて考え方を変えてみる
「老いる」ことに対して、ポジティブに捉えられる方はどのくらいいるでしょうか。私も20代の頃と比較して落ち込むこともありますし、世間的にも「老いる」ことに対するネガティブなイメージは強いですよね。
本書では、「老い」の捉え方についてこう記されています。
老いを嘆くのは抵抗すること、受け入れるのは肯定し、考えを変化させることです。
考えを変化させることは、”進化”と表現されています。進化は楽しいこと。出来なくなった、大変になったことを、長い人生の中の”変化”と捉えれば、「老い」に対する捉え方がネガティブなものだけではなくなるかもしれません。

「老い」は誰にでもやってくるものだからこそ、どう捉えるかが大切!
30代の私が今からやってみようと思うこと
この本を読んでみて、終活がまだピンとこない30代の私がやってみようと思ったことは「その時に必要なものを”循環させる”こと」です。

私は整理は得意な方ですが、モノを捨てられないタイプの人間です。旅行のパンフレット、学生時代の教科書や資料、写真など、使わないけど捨てられないモノがたくさんあります。
この本を読んで、そこに少しずつ手をつけ始めたのですが、モノを置いていたスペースが空き、そこに今必要なモノ・欲しいモノが置けるようになり、なんだか気持ちもすっきりしました。まさに”今必要なものの循環”です。
循環できる仕組みができれば、これから子供が大きくなって生活スタイルが変わっても、心地よい環境を維持していけるのではないかと感じています。そんな小さな一歩を踏み出させてくれる本でした。
それではまた!

