こんにちは!管理人のハルです。
皆さんは「インクルーシブデザイン」という言葉を聞いたことがありますか?
「インクルーシブデザイン」とは、障がい者、高齢者、外国人など、従来デザインの対象から外されがちだった多様な人々を、製品やサービスの企画・開発段階から巻き込み、より多くの人が利用しやすいようにデザインする手法のことです。(参照;インクルーシブデザインソリューションズ)
そんなインクルーシブデザインの8ブランドが、なんと期間限定でポップアップショップを開店するというお知らせが…!

今回はそのレポートをお届けします!
~ひとりの困りごとをみんなの価値に~
今回訪れたのは、2025年4月23日(水)~29日(火)まで、横浜高島屋で行われた『インクルーシブデザインPOPUPSHOP~ひとりの困りごとをみんなの価値に~』という催しです。

出展は以下の8ブランドです。
・a.ladonna.+(アラドナプラス)
・Mana‘olana(マナオラナ )
・ouca
・Canae
・N HEAD WEAR
・n=1
・Campanella(カンパネルラ)
・panfree®
会場に着くと、まるでセレクトショップのような雰囲気…!

さっそくそれぞれご紹介していきます!
a.ladonna.+(アラドナプラス)
色鮮やかな生地が目を引くこちらは、a.ladonna.+さんのお洋服。
前後どちらでも着られ、ギャザー位置を調整することで丈や衿ぐりの大きさを自分好みにアレンジできるトップスや、前後も自由でゴムの位置により丈の調整もできるワンピースなどがありました。

どの服も伸縮性が高く、手触りも滑らか!福祉ファッションというと、シンプルな色味が多いイメージですが、鮮やかで明るい柄の生地が素敵でした。
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Mana‘olana(マナオラナ )
こちらは、Mana‘olanaさんの靴。手足に障がいがあってもスタイリッシュに履ける様々なデザインの靴が展開されています。こちらの靴は、下肢装具を使用していても履ける靴で、左右サイズ違いで購入も可能です。(※対応している下肢装具は、HPに掲載されています)

パンプスやサンダルなど、なんといってもデザインがかわいい…!サンダルの革部分は、パーツ毎に好きな柄や色をセレクトできるそうです。

また、あまり見かけない男性用のビジネスシューズも。ベルトはマグネット式バックルとなっており、ベルトを近付けるだけで簡単に留まります。

履き口も大きく開き、片手で着脱できるよう、ストラップが面ファスナーになっていたり、マグネット式バックルになっているなど、片手でも装着しやすい工夫がデザインに織り込まれています。

靴以外の製品もあります!
こちらはバケツ型ショルダーバッグ。
底にICカードが入れられるようになっています。いちいち鞄からICカードを出さなくても鞄を直接改札にかざせばOK!鞄の中で迷子になることもなくなりそう。お家の中で使っている方もいらっしゃるそうですよ。


こちらは折り畳み式の杖、BONLAB VOYAGE。
”手で握る”のではなく”手を乗せる”という発想で、握力の弱い方でも使いやすい杖。長さも5段階で調整可能です。

珍しいのは、持ち手部分が好みの色に着せ替えできるようになっていること!レッド・パープル・モカ・ヒスイ・コハクの5色展開です(別売り)。持ち手の色でずいぶん雰囲気が変わります。その日のファッションやお出かけ先に合わせて変えられるのがいいですね!

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ouca
こちらはインナーブランドoucaさんの下着と靴下。
ソフトブラはカップが生地に縫い付けてあるので、カップのずれが気にならなさそうでした。レースをあしらったデザインもあり、どれも素敵なデザイン!そして生地がとにかく柔らかく滑らかでした。肌に優しいのも嬉しいですね。

こちらの靴下は、裏表・踵・縫い目がないという、どの角度からでも履ける靴下。片方ずつ違うカラーで履いてもおしゃれに魅せてくれるデザインになっています。他にも前後がないタンクトップもありました!

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Canae
店頭にもあったこちらは、Canaeさんのお洋服。
胸元のフリルが花のようで、華やかな印象を受けたこちらのお洋服。実は国内で一点一点手作業で仕上げられているそう!手作業なので、フリルの表情が少しずつ違います。

もともとは ”下着をつけていなくても、つけていても、ファッションを楽しみ、背筋を伸ばせる、わたし達の「新しい選択肢」” として作られた服だそうです。色合いも優しく、着ることで気持ちがふっと明るくなりそうな、素敵なお洋服でした。
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N HEAD WEAR
繊細な色とデザインのこちらの帽子はN HEAD WEARさんのアイテム。被るだけでおしゃれになれそう!見ているだけで気持ちが明るくなるデザインです。

髪があってもなくても楽しむことができるこちらの製品は、ファッションアイテムとしてだけでなく、頭髪に問題を抱えた時にも使えるケアアイテムとして生まれたそうです。こちらの帽子も、職人の手で作られた一点もの。
かぶる向きによって印象を変えることができる帽子や、リバーシブルタイプの帽子など、デザインも多彩なだけでなく、カラーも豊富。メガネのような、ファッションアイテムのひとつになりそうです。自宅でお手入れできるのも嬉しいですね。
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n=1
こちらはn=1さんのショルダーバッグ 「OneDe」。一人の理学療法士と一人の患者さんから生まれたこちらのバッグ。

ショルダーバッグというと、開け口がファスナーになっているものが多い印象ですが、ファスナーを引っ張るとかばんも一緒に動くため、実は片手で開けるのは難しい…!私もこどもと手をつないでいて「片手しかあいてなくてかばんが開けられない!」という場面がよくあります。

こちらの製品は、バッグからの物の出し入れが片手で完結できるようになっています。かぶせの部分はマグネットで止まるようになっており、片手で簡単に開け閉めできます。かぶせが短いので、開けるとバッグの中身が見やすいのも嬉しい!
カバン自体も軽く、容量もあるので、荷物が多くても安心です。
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Campanella(カンパネルラ)
こちらはCampanellaさんのドレス。車いすの方だけでなく一般の方も楽に着られるドレスになっています。写真以外にも、赤や青、白のドレスなどカラーバリエーションも様々でした。男性用のスーツもありましたよ。

ドレスは、上下セパレート式。スカートは巻きスカートになっていて、お腹周りはボタンで調整できます。椅子にスカートを置きその上から座れば、座ったまま着ることもできます。

上は片サイドが開くようになっていて、被って着用できます。胴回りはリボンで調整できるようになっていて、そのデザインもまた素敵!

試着させてもらうと、きれいなシルエットなのに苦しくない!私自身、結婚式でドレスを着た時はコルセットを巻いて苦しかった記憶があるのですが、本当に楽に着ることができました。マタニティウエディングの方にも良さそうですね!

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panfree®
最後はpanfree®さんのインナーウェアです。写真を撮りそびれてしまうという痛恨のミスのため、いただいたパンフレットからお写真をお借りします…。

優しく伸びてソフトにフィットするという生地は、一般的なストレッチ素材と比較しても驚くほどの伸縮性があります。
そのため、自身が ”着やすい・脱ぎやすい” だけでなく、衣服の着脱に介助が必要な方が着る際にも、介助者が ”着せやすい・脱がせやすい” インナーになっています。前後・裏表がないタイプもありました。
インナーに大切な肌触りも柔らかく、冷え対策としても安心だそうです。肌着だけでなく、腹巻きやアーム・レッグカバーといった製品もありましたよ。

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困りごとを暮らしに溶け込むデザインで解決する
インクルーシブデザインという言葉をよく耳にするようになった昨今。実際に完成した製品に触れられる機会がなかったので、今回の企画展示はとても貴重な機会となりました。
様々な背景をもった人が使える製品ならば、これまでの暮らしの延長線上でも使いやすい、使ってみたいと思える道具になるのではないでしょうか?
また、百貨店やショッピングモールの中に、こうしたインクルーシブデザインのお店があって、いつでも買えるようになったら、福祉製品と暮らしの距離がどんどん縮まっていくのではと感じました。
それではまた!