4月の作業帖|作業療法士の視点から気づいた、実は高度な「予定調整」という作業

日々を編む

こんにちは!管理人の作業療法士・ハルです。

2026年からはじめた、日々の作業を記録する「1日1投稿」。4ヶ月目となる4月も、なんとか投稿を続けることができました。

今月も4月の投稿の中から一番印象深かった作業を選び、その作業に込められた意味を振り返ります。

一番印象深かった「予定を調整する」作業

4月の作業を振り返ったとき、真っ先に思い浮かんだのが「予定を調整する」という作業でした。

4月からこどもが小学生になり、生活がまるごと変わりました。家を出る時間、登下校の付き添い、習い事の送迎。さらに、これまでこどもと一緒に行けていた懇談会も、預け先を探してから参加しなければならなくなったりと、予定調整の連続…。

自分一人のスケジュールなら、どうとでも動かせます。でもそこに家族の予定が絡んでくると、一気にパズルを組み立てるような難しさになる。「あの時間はこどもの送迎があるから無理で、この時間なら動けるけど、でも相手の都合は…?」と、頭の中でいくつもの条件をとにかく同時に動かしながら過ぎ去った1ヶ月でした。

「予定を調整する」という作業の複雑さ

予定を調整する」作業。なんとなくこなしている作業のひとつ、という感覚がありませんか?でも改めて考えてみると、実はかなり高度な作業です。

まず、自分の予定を把握できていることが大前提にあります。それに加えて、相手の予定を頭の中に並べながら、同時に照らし合わせる必要があります。これは「ワーキングメモリ」と呼ばれる、複数の情報を頭の中に保ちながら同時に処理する力が必要な作業です。

さらに、「この作業にはどのくらい時間がかかるか」という見通しを立て、移動時間や予期せぬトラブルも想定しながら、スケジュールに余白を作る。相手の都合を汲み取りながら、こちらの都合も伝える。断らなければいけないときは、角が立たないように言葉を選ぶ。相手を待たせないよう、素早く判断して返事をする——。

作業療法の視点から整理すると、「予定を調整する」という作業には、記憶力・判断力・段取りを組む力・コミュニケーション能力・ストレス耐性など、多くの機能が組み合わさっています。病気や怪我によってこれらの機能が低下すると、「予定を調整する」という作業が難しくなり、日常生活に支障が出ます。それも知っているからこそ、あらためてこの作業の複雑さを感じました。

私にとって「予定を調整する」作業に込められていた意味

「予定を調整する」という作業、あなたは好きですか?

実は私は、この作業が割と好きです。スケジュールは手帳に書くアナログ派ですが、真っ白だった手帳に少しずつ予定が埋まっていくあの瞬間がとても好きで。それは私にとって、「自分の暮らしを自分で組み立てている」という実感につながっているからだと思います。

画像:photoAC

この作業は、自分でやりたい人もいれば、誰かに調整してもらう方が楽という人もいるでしょう。今ではAIにスケジューリングを任せることもできます。

どれが正解ということはなく、自分にとってしっくりくるやり方でいい。ただ、どんな方法を選ぶにしても、その根っこには「自分の時間をどう使いたいか」という気持ちがあるのではないでしょうか。

たまには自分を褒めてあげてもいいかもしれない

あなたの4月は、どんな予定調整がありましたか?入園・入学・入社・異動・引っ越しなど、4月は生活が変わりやすい時期。「なんだかバタバタしていた」と感じた方も多いのではないでしょうか。それはきっと、それだけ多くの調整をこなしていたということだと思います。

うまくいかなかったこともあったかもしれない。でも、あの複雑なパズルを毎日組み立てていたのだから、それだけで十分すごいこと。それなのに私たちは、「ちょっと予定合わせなきゃ」くらいの感覚で、毎日この作業をやってのけています。たまには自分を褒めてあげていいかもなと思った、そんな4月でした。

来月も、日々の作業を記録していきます。

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