こんにちは!管理人のハルです。
去る10月16日、今年のグッドデザイン賞が発表されました。今年は審査対象数5773件の中から、全1579件の受賞しています。
今回は、その中から管理人ハルが気になった「入浴」にまつわる道具2点をお伝えします。
ベッドに寝たまま体が洗える「スイトルボディ SWB-1000JP」
1つめは、株式会社シリウスさんの「スイトルボディ SWB-1000JP」。こちらは介護用の体を洗う道具です。
ココが気になった!
・介護する側も介護を受ける側も、双方の負担を軽減
・お手入れ・操作がしやすいデザインの工夫
入浴に介助が必要な方は、一般浴やシャワー浴、機械を使った機械浴、体を拭く清拭といった方法で清潔を保っています。ただし「入浴」は、浴室や浴槽への移動や乗り移り、お湯や泡で滑りやすいなど、介護する側も受ける側も、身体的な負担が大きい活動でもあります。
こちらの製品は、お湯を噴出させながら、肌に触れたお湯を同時に吸引する仕組みにより、周りを濡らすことがありません。そのため浴室や浴槽に移動することなく、普段使っているベッドに寝たままの状態で体を洗うことができます。体だけでなく、ヘッド部分を変えると髪も洗えるそう!
お湯の温度も人によって好みが分かれるところですが、38℃~45℃で自分好みに設定できるそうで嬉しいですね。
準備も簡単で、水と専用ソープをタンクに注入し本体電源を入れ、水の温度を設定すれば完了です。後片付けも、水を捨て中性洗剤で洗ったあと乾かすだけ。「入浴」に伴う身体的な負担を軽減してくれます。
約1Lという必要最低限の水の量で、洗髪、身体の予洗い、洗身、すすぎまで対応できるそうです。災害時、お風呂が使えないときにも役立ちそうですね。
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オストメイトの方も温泉に行きやすく「バスラックシール」
2つめは、アルケア株式会社さんの「バスラックシール」です。
ココが気になった!
・目の錯覚を利用した”まだら模様”で装具の凹凸も目立ちにくく。
・オストメイトの方の入浴事情を知るきっかけにも。
ショッピングモールやサービスエリアなどのトイレで、こういったマークを見たことはありませんか?
このマークは、オストメイト対応のトイレであることを表すマーク。「オストメイト」とは、がんなどで人工肛門・人工膀胱(ストーマ*)を造設している排泄機能に障害のある方のことをいいます。
ストーマとは
病気や事故のため、新たに腹部に造設された排泄口のこと。
「ストーマ装具」とは、ストーマからの排泄物をためるための、積層プラスチック製の使い捨ての袋。ストーマ装具をお腹に貼り、排泄をコントロールする。防臭性があり、お湯の温度にも充分耐えられる材質・構造なので、入浴しても衛生上も問題ない。
バスラックシールは、こうしたオストメイトの方向けに作られた製品です。上記の通り、オストメイトの方の浴槽への入浴は問題ないのですが、社会的な理解がまだ十分に進んでおらず、近年、公衆浴場で入浴を拒まれる例も起こっています。
バスラックシールは、ストーマ装具を目立たなくするだけでなく、オストメイトの方が手術前と同様に入浴を楽しむことができることを目指して開発されました。
こちらが実際に貼った状態の写真です。
折りたたんだストーマ袋の上からシールを貼るため、どうしても袋の凹凸が出て目立ってしまいます。それを錯視効果のある“まだら模様”を採用することで、凹凸を目立ちにくくしています。肌の色に馴染んでいますよね。
さらにストーマ装具全体を覆うため装具が濡れにくく、お風呂を出た後に装具を乾かす手間が減らせます。こうしたオストメイトの方の入浴事情は詳しく知らなかったので、それを知る機会にもなった製品でした。
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清潔を保つだけじゃない「入浴」という文化
いかがでしたか?「入浴」の目的というと、一番は体の清潔を保つことでしょう。しかし、浴槽につかる文化がある日本においては、入浴が日々の生活の楽しみのひとつである方も多いと思います。
入浴にまつわる道具において、ただ清潔を保つことに特化した道具ではなく、その先の、「入浴」という活動が持つ意味にも配慮した道具が増えていくと嬉しいです。
それではまた!